アルツハイマー病におけるタウリン酸化経路の神経病理学的解析

対象者

 1983324日から20151231日までの間に、都立松沢病院と東京都精神医学総合研究所との共同研究で運用されていたブレインバンク(管理者は、学外共同研究者の秋山治彦研究員、日本神経病理学会理事)に登録され、アルツハイマー病と病理診断された剖検脳および非神経疾患対照例を用います。患例

研究のお願い

神経難病研究センターでは「アルツハイマー病におけるタウリン酸化経路の神経病理学的解析」という研究を行います。この研究は、1983324日から20151231日までの間に、都立松沢病院と東京都精神医学総合研究所との共同研究で運用されていたブレインバンクに登録され、アルツハイマー病と病理診断された剖検脳および非神経疾患対照例を用います。研究目的や研究方法は以下の通りです。直接のご同意はいただかずに、この掲示などによるお知らせをもってご同意を頂いたものとして実施されます。研究対象となる患者さんのご遺族の方におかれましては研究の主旨をご理解いただき、本研究へのご協力を賜りますようお願い申し上げます。この研究へのご参加を希望されない場合、途中からご参加取りやめを希望される場合、また、研究に関するご質問は下記の問い合わせ先へご連絡下さい。

研究の内容

(1)研究の概要について
研究課題名:アルツハイマー病におけるα1-キメリンの機能的意義の解明
研究期間:  2017年8月30日~2021331
実施責任者: 滋賀医科大学神経難病研究センター  
教授  遠山 育夫


(2)研究の意義、目的について 
 認知症は大きな社会問題であり、その中で最も多い認知症はアルツハイマー病です。アルツハイマー病は、脳に蓄積した老人斑の主成分であるβ-アミロイド(Aβ)と異常にリン酸化されたタウ蛋白が主成分である神経原線維変化と、それらにより引き起こされると考えられる神経細胞死を特徴とします。このうち、最も早期に生じるのは老人斑で、発症の20年以上前からはじまるとされ、老人斑の数と認知障害の程度とは比例しないことが知られています。一方、神経原線維の数は認知機能障害と比例します。すなわち、認知機能障害の観点からすれば、老人斑よりも神経原線維の形成を防ぐことが重要とも言えます。
神経原線維の主成分は異常にリン酸化されたタウ蛋白であることから、タウタンパクの異常リン酸化に関わる酵素を特定し、それを阻害することが新しいアルツハイマー病治療薬の開発につながると考えられる。我々は、タウ蛋白をリン酸化する酵素として、プロテインカイネースCProtein kinase C)に注目し、以前から神戸大学医学部保健学科、東京都医学総合研究所と共同で研究を行ってきました。しかし、その経路がヒトのアルツハイマー病脳で実際に働いているのか、ヒトの試料を用いて確認する必要があります。そこで本研究では、アルツハイマー病および非神経疾患対照例の脳病理標本を用いて、プロテインカイネースCProtein kinase C)を中心とするタウリン酸化経路に位置する酵素の存在を神経病理学的に検索すます。具体的には、経路に存在するタンパク質、タウ、リン酸化タウ、-アミロイドなどのアルツハイマー病関連タンパク質に対する抗体を用いた免疫組織化学法とWestern blots法を用いて検討します。この研究の結果、ルツハイマー病におけるタウリン酸化経路を明らかにできれば、タウ蛋白の異常リン酸化を抑制することで、アルツハイマー病の新しい治療法へとつながる可能性があり、患者さんやそのご家族へ貢献できると考えています

(3) 研究の方法について  
 本
研究は、1983324日から20151231日までの間に、都立松沢病院と東京都精神医学総合研究所との共同研究で運用されていたブレインバンクに登録されて保管されている剖検脳のパラフィン包埋標本と凍結保存資料を使用します。アルツハイマー病例を13症例、非神経疾患対照例を10例用います。剖検脳からパラフィン切片あるいはクリオスタット標本を作製して、神経病理学的染色を行います(HE染色、鍍銀染色等)。これらの脳におけるプロテインカイネースC、タウ、リン酸化タウ、β-アミロイドなどの神経難病原因タンパク質の発現や局在をこれらに結合する抗体や化学物質で、免疫組織化学的手法やウエスタンブロット法を用いて、アルツハイマー病と非神経疾患対照例の間での局在や発現の違いを比較、検討します。局在を詳細に検討するため、ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリアなどの細胞マーカーとの免疫二重染色やミラー切片での免疫染色を行います。さらにタウ、リン酸化タウ、β-アミロイドなどの神経難病原因タンパク質の免疫染色や細胞内シグナル伝達物質マーカーとの免疫二重染色やミラー切片での免疫染色を行います。これらを通して、ヒト脳におけるプロテインカイネースCの局在を明らかにするとともに、アルツハイマー病におけるタウのリン酸化との関係を明らかにします

(4)予測される結果(利益・不利益)について

 参加頂いた場合の利益・不利益はありません。

()個人情報保護について
 個人情報は匿名化し、本学へはアルツハイマー病グループと対照例グループに分けて、匿名化した番号のみが伝えられて実験を行うため、本学の研究にあたっては、個人情報を直接同定できる情報は使用されません。また、研究発表時にも個人情報は使用されません。
(5)− ⑴.試料・情報は、滋賀医科大学の上記(1)、(2)、(3)の目的と方法によって使用します。
(5)−(2) 試料を利用するのは、以下の研究代表者と研究分担者です。
研究代表者
 神経難病研究センター・神経診断治療学部門  教授    遠山 育夫  内線 2330
分担研究者
 神経難病研究センター・神経診断治療学部門 准教授 柳沢大治郎  内線 2331
 神経難病研究センター・神経診断治療学部門  特任助教  加藤 智子    内線 2331
 附属病院リハビリテーション部        作業療法士  園田 悠馬  内線 2670
(5)−(6) 使用停止を希望する場合は、(7)の問い合わせ先に、メールないしお電話でご連絡下さい。

()研究成果の公表について

この研究成果は学会発表、学術雑誌およびデータベースなどで公表します。


お問い合わせ先

滋賀医科大学神経難病研究センター 特任助教  加藤智子 
住所:520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町

電話番号: 077-548-2331  メールアドレス: tkato@belle.shiga-med.ac.jp