滋賀医科大学医学部附属病院看護部

スペシャリストの活動

専門認定看護師の活動紹介

救急看護認定看護師:武村 佳奈子 救急看護を軸に呼吸器サポートチームへの参加や院外での指導など幅広く活動

救急部を含む病棟の患者さんとご家族のケアや、各部署の看護師へのコンサルテーションを行っています。さらに医師、看護師、理学療法士、臨床工学技士によって構成される呼吸器サポートチームのメンバーとして週1回病棟をラウンドし、治療やケアの方向性について話し合う他、ケアの実践やメンタル面のサポートなどに取り組んでいます。

院外活動も看護師を対象にした救命技術指導の定期的な開催や、災害時に実際の職場でどのように動くことが適切なのかを考える災害机上シミュレーションなどを行っています。

リーダーシップを発揮してケアにあたる認定看護師に感銘を受けて資格取得を決意

認定看護師になるまではICUに所属し、突然の事故や病気で重篤な状態になった患者さんと関わり、患者さんが少しでも早く回復できる看護ケアを提供したいと思っていました。そんな時、褥瘡ができた患者さんのケアについて相談した皮膚・排泄ケアの認定看護師さんのケアに感銘を受けて、私も認定看護師になろうと決意しました。

その認定看護師さんは専門的な知識と技術を活かしたケアを行い、褥瘡がみるみる改善していったんです。受け身の看護ではなく、自分からリーダーシップを発揮して動く姿勢にも惹かれたのだと思います。

私は働きながら学校に通って資格を取るかたちを選んだのですが、まわりの方々には勤務時間の調整などいろいろな面でバックアップしていただき、大きな支えとなりました。学んだことを現場で実践し、その効果を実感できたこともハードな学習期間をのりきるモチベーションにつながりました。

専門的な知識と技術を共有して看護部全体をレベルアップ

現在、当院には救急看護認定看護師が4名所属しており、お互い協力し合うことで活動範囲が広がる効果を生んでいます。日々の看護では認定看護師の知識や技術を病棟の看護師に伝えて、みんなが実践できるよう努めています。

例えば、呼吸器をつけた患者さんは、通常は横になっている状態を維持するのですが、条件が整えば車イスに乗ることもできるんです。このことをみんなで共有したことで、今では病棟の看護師から「車イスに乗ってもらってもいいですか?」という相談を受けるようになりました。

今後も看護部全体の質向上に貢献するために、急変・重症化を防ぐための観察とケア、災害対策について深めていきたいと考えています。

糖尿病看護認定看護師:山口 雅之 患者さんへのケア実践から地域の看護師の育成まで幅広く活動

糖尿病看護認定看護師の活動内容は、糖尿病などの患者さんを対象にしたフットケア外来、内科外来での糖尿病透析予防の指導、院内の看護師の育成、看護実習生への指導、地域医療への貢献など多岐に渡ります。

また、糖尿病チームのメンバーとして、医師や薬剤師・管理栄養士・理学療法士など多職種のスタッフと協力しながら、糖尿病に関するより良い治療・ケアの提供に努めています。

看護部全体のレベルアップのため、積極的に研修を開催

近年は高齢化社会の影響もあり、糖尿病の患者さんが増えています。しかし全国的にまだ糖尿病看護認定看護師は少なく、専門的な知識や技術が定着していないことが課題となっています。

当院においても、どの病棟にも糖尿病の患者さんが入院されているため、看護師の質向上が求められています。そのため研修や勉強会を行い、レベルアップを図っています。病棟との連携を強化して、コンサルティングを充実させることが今後の目標です。

私は滋賀県内の看護師を対象とした研修を担当させていただいており、地域全体の糖尿病看護の質向上にも、より一層力を入れて取り組んでいきたいと考えています。

心がけているのは、患者さんと気持ちの通じ合ったケア

私が糖尿病看護認定看護師を目指したのは、看護師になってはじめて関わったのが糖尿病の患者さんだったことが大きく影響しています。その後いろいろな領域の看護に携わったのですが、いちばんやりがいを感じ、自分の力を発揮できるのが、糖尿病の患者さんのサポートだと感じました。そして、それならその領域で専門性を高めようと思い、資格を取りました。尊敬している慢性疾患看護専門看護師の方が勧めてくださったことも、大きな後押しになりました。

糖尿病のケアでは、患者さん自身の自己ケアが欠かせません。しっかりと自己ケアをしていただくために、自分の状態を理解していただけるよう説明・指導すると共に、私たちも患者さんの気持ちを理解し、がんばりを認めるよう心がけています。

緩和ケア認定看護師:西川 誠人 自分の専門性を発揮して、より良い緩和ケアを実践

緩和ケア認定看護師の主な役割は、実践モデルとして質の高い看護を実践することと、院内の看護師のレベルアップを目指して指導することです。

また、医師・看護師・薬剤師・ソーシャルワーカー・セラピストなどから構成される緩和ケアチームのメンバーとして、病棟から依頼のあった患者さんの苦痛の軽減に取り組んでいます。チームでの活動では患者さんのところへ行き、お話をきいたうえで、メンバーと最適な緩和ケアについて検討します。その際には看護の視点から提案するだけでなく、患者さんとメンバー、或いはメンバー間の仲介役になるよう心がけています。

院内だけでなく、地域における緩和ケアのレベルアップに取り組む

教育に関しては、看護部全体のレベルアップのために、研修や勉強会を積極的に開催しています。そして、それぞれの病棟で役立つテーマを設定し、効果のある研修になるよう努めています。

また、訪問看護師を対象にした研修を行うなど、院内だけでなく地域における緩和ケアの質向上にも取り組んでいます。こうした地域への貢献は、今後もっと力を入れていきたいと考えています。

患者さんの想いを受け止め、心身の苦痛を軽減する看護を

私は以前から将来スペシャリストになりたいと思っていたのですが、どの領域を目指すのかという明確な目標は定まっていませんでした。そんな時に緩和ケアの研修を受け、興味を持つようになったことが認定看護師を目指したきっかけです。その背景には、あるがん患者さんから質問を受けた時、しっかりと答えることができず、支えになれなかった苦い経験も影響しています。認定看護師になったことで、これまでよりも患者さんの力になることが使命だと思っています。

また資格を取得したことで、以前よりも責任が重くなり、求められることも変わりました。今はみなさんの期待に応えられるよう、患者さんの声をしっかりと受け止め、看護に反映できるようになることを目標に、自己研鑽に励んでいます。

がん専門看護:木村由梨 がん患者さんの増加に伴いスペシャリストの重要性も高まる

現在、日本では2人に1人が、がんにかかるという調査結果が出ています。がん患者さんには共通する悩みもありますが、その人の背景や状況によって不安や問題は大きく異なります。がん患者さんの増加に伴い、個別性のある質の高いがん看護が求められるようになり、専門看護師や認定看護師の重要性が高まっています。

がん看護専門看護師は、解決が困難ながん看護に関する事例に対応すると共に、看護部全体のがん看護の質向上のためにスタッフの教育を行うことが主な役割です。そのために、患者さんやご家族の話を傾聴し、多職種のスタッフと協力しながら、できる限り意向に寄り添ったケアを行うよう努めます。

小児科病棟に所属し小児がんにかかった子どものケアを展開

以前所属していた消化器外科病棟でがん患者さまを担当する中で、満足のいくケアができていないという葛藤が大きくなっていきました。複雑な問題を抱えておられる患者さんの力になるためにはどうしたら良いのだろうかと考えていた時に、当院で活躍しておられるがん看護専門看護師の先輩とお仕事をする機会があり、自分も専門的な知識を身につけたいと感じて、専門看護師を目指しました。

現在は小児科病棟に所属して、小児がんにかかった子どもたちのケアを中心に行っています。また、がん専門相談員として、診断期から終末期までの患者さんとそのご家族を対象に相談を受けています。

患者さんにとってベストなケアを行うためさまざまな職種や医療機関と連携

専門看護師になったことで、看護を捉える視点が変わりました。以前は自分と患者さんとの関係だけで考えていましたが、今は病棟の看護師や多職種のスタッフ、地域の医療機関と連携し、患者さんにとって最も良いと考えられるケアを展開するようになりました。

小児がんの場合、入院期間が長くなるケースが多いため、子どもの成長・発達に添ったケアとサポートが大切です。そして退院後、地域でその子らしく生活していけるように支援することが必要です。小児がんは国の重点課題でもあるので、自分の看護を深め、さまざまなフィールドに発信して、がん看護の向上に貢献したいと考えています。

専門看護師
精神看護 1名
がん看護 2名
地域看護 1名
母性看護 1名

平成28年7月現在

認定看護師
皮膚・排泄ケア 5名
感染管理 4名
救急看護 6名
集中ケア 3名
小児救急看護 1名
緩和ケア 2名
がん性疼痛看護 1名
がん化学療法看護 3名
がん放射線療法看護 1名
摂食・嚥下障害看護 2名
認定看護管理者 7名