私たち漢方外来の最大の特色は、「未病(みびょう)を治(ち)す」ということです。漢方診療は、決して西洋医学と相対するものではありません。むしろ、西洋医学的な手法を存分に活かす中で、漢方治療を受けていただくことができるわけです。
「漢方治療って、漢方薬を飲むことじゃないの?」・・・確かにそうですが、「ただ飲むだけ」ではないのです。患者さんのからだの中で起きている、様々な矛盾は何か?を患者さんとともに考えていくわけです。これが、未病の治療です。
ご本人はそうと気づいていなくとも病(やまい)は既に成立している、しかし西洋薬を使うべき目的がはっきりしない、このような病態は漢方外来の腕のふるいどころです。
「検査ではどこもどうもないんやけど、何でこんなに調子が悪いの?」・・・さあ、ここからです。私たちは、いつも患者さんと一緒に歩んでゆきたいと思っています。ですから、私たちが患者さんの訴えをしっかり受けとめて、その中の「未病」の部分は一体何か?を的確に把握し、患者さんとともに共同作業で治療を進めると、「漢方薬って本当にいいですね」ということが理解していただけると思います。どうぞ、よろしくお願いします。