血液浄化部では、腎機能が低下した腎不全患者さんを対象に、透析療法を行っています。また、肝臓疾患、神経疾患、膠原病、炎症性腸疾患等に対して、血漿交換・吸着等の血液浄化療法も行っています。他施設で治療を受けている透析患者さんの合併症精査(外来・入院)も可能ですのでお問い合わせください。また、血糖コントロールの困難な透析患者さんには、持続血糖モニタリングなどを用いて治療を行っています。
腎臓は、尿を排泄することで、体液のバランス(恒常性)を保っていますが、腎機能の低下した腎不全状態では、この恒常性が保たれなくなり、体液の異常が生じます。この体液異常を是正するため、人工的に腎機能を代行する透析療法が必要となります。
透析療法には、ダイアライザーと呼ばれる半透膜(水や電解質を選択的に透過する膜)を使用して、体液の異常を修正する血液透析と、患者さん自身の腹膜を半透膜として利用する腹膜透析(PD)とがあります。
本院では、透析をこれから始める患者さんへの血液透析と腹膜透析の選択の際の説明と透析の開始(導入)は、腎臓内科が担当しておりますので、腎臓内科にご紹介・受診ください。血液透析と腹膜透析の併用も行っております。
透析患者さんでは、血中カリウム濃度が上昇していることが多く、透析中にカリウムを除くため透析液カリウム濃度は2.0mEq/Lと低く設定されています。しかし、入院中に手術や検査のために食事がとれないと、逆に血中のカリウム値が低くなり通常の透析ではさらに血中のカリウム値が下がり、不整脈やけいれんの原因となります。当院では、そのような場合カリウム濃度を3.0 mEq/Lに調整した透析液を使用しています。
このように当院では、スタッフ全員で患者さん個々の状態を考え看護・透析方法を工夫するなど、よりよい医療を提供できるよう努力しています。
透析患者さんは、心血管障害や脳血管障害などの動脈硬化性疾患や下肢末梢動脈疾患を合併する頻度は高いといわれています。下肢末梢動脈疾患により、足の冷えや痺れ、潰瘍形成などが起こりやすくなります。足の潰瘍が重症化すると、足の切断のリスクが非常に高まります。そのため、看護師を中心として透析を受ける患者さんのQOL(生活の質)を維持するために、足のトラブルを未然に防ぐフットケアを積極的に行っています。
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