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診療科一覧

消化器外科

スタッフ紹介

外来診察医予定表

診療・業務内容

診療方針

 消化器外科は上部消化管外科・下部消化管外科・肝胆膵外科の3部門による専門性をいかした専門診療を行っています。また、消化器内科や放射線科など他の診療科と密に連携をとりながら、診療をしています。

部門 対象

上部消化管部門

食道・胃・十二指腸の疾患の他、病的肥満症手術に対する外科手術治療を担当しています。

下部消化管部門

小腸・大腸・腹膜炎及び炎症性腸疾患手術治療を担当しています。
肝胆膵外科部門 肝臓・胆のう・胆管・膵臓・脾臓の疾患に対する外科手術治療を行っています。
その他 腹腔鏡による脾臓の手術やヘルニア手術を行っています。

 手術方針は、多数の専門医が集まる診療科検討会で決まります。さらに、消化器内科・放射線科医および病理医との合同の検討会を行っており、どの診療科を受診しても同じ治療方針になるようにしています。
年間手術件数は消化器・乳腺・小児・一般外科として1,000例以上に及んでいます。

診療内容・専門分野

食道疾患

 食道癌の外科的切除は、腹腔鏡や胸腔鏡を利用した最新の低侵襲手術を提供しています。エビデンスに基づいた癌治療を行い、切除不能と考えられた癌が切除可能になれば、サルベージ手術(救済手術)を積極的に行っています。さらに、食道を切除した時に、通常は胃をロール状にした胃管で食物の通り道を作成(再建)しますが、不可能な場合は結腸を使用します。結腸での再建は滋賀県内の他の病院ではあまり行っていませんが、私たちは豊富な経験と実績を有しています。その他、食道粘膜下腫瘍、突発性食道破裂、食道アカラシア、食道裂孔ヘルニアなどの手術も行っています。

胃十二指腸疾患

 胃癌の切除例のうち約半数を占める早期胃癌や粘膜下腫瘍に対しては、腹腔鏡下切除術を、進行胃癌に対してはロボット支援手術に取り組んでいます。胃の入り口側(噴門側)の胃がんが近年増えてきています。以前は胃全摘が行われることが多かったですが、私たちは胃を温存する噴門側胃切除を積極的に取り組んでおり、良好な成績を得ています。また進行癌には、手術だけでなく抗がん薬治療が重要です。予後向上を目指した集学的治療を行っています。

病的肥満症

 減量効果のみならず、メタボリック症候群に対して、著明な改善効果をもつ腹腔鏡下スリーブ状胃切除を保険診療として行っています。本治療は、内科・精神科・麻酔科・集中治療部など多くの診療科と、NSTや心理療法士、各種専門看護師からなるチームを編成し、肥満症治療の一環として行っています。

大腸疾患

 初発の結腸癌・直腸癌の約95%は腹腔鏡下手術を行っています。下部直腸では、肛門括約筋温存手術である内肛門括約筋切除術・結腸肛門吻合により、極めて肛門に近い腫瘍についても自然肛門を残す手術が可能となっています。さらに肛門からの鏡視下手術を併用することで今まで以上に精度の高い手術を安全に行うことに取り組んでいます。私たちはこの手術方法により直腸癌の局所再発率を下げることが可能と考えています。高度進行大腸癌、肝転移や再発症例については、抗がん薬や放射線治療と外科手術を併用することで根治をめざした治療を行っています。

炎症性腸疾患

 炎症性腸疾患は日本では増加している疾患です。薬物療法が基本ですが、手術が必要となる場合があります。私たちは消化器内科と連携して潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性疾患の手術を行っています。潰瘍性大腸炎は大腸をすべて切除し、小腸と肛門を吻合する手術が必要ですが、経験数の多い病院は少ないのが現状です。私たちはこれまでの経験が豊富で多くのノウハウを持っています。またクローン病は手術後の再発が多い疾患であり、再狭窄を来しにくい吻合法を導入しています。その他の良性疾患の手術も豊富な治療実績があります。

肝、胆、膵疾患

内視鏡外科

 原発性肝癌、転移性肝癌などの肝腫瘍に対し、肝切除を行っています。最近は、腹腔鏡下肝切除が半数を超えています。肝細胞癌では肝臓自体が慢性的に炎症を伴っていることがよくあるため、正確に肝臓の力(肝予備能)を評価して治療にあたっています。すなわち、肝細胞癌は外科だけでなく消化器内科や放射線科とともに病院としての総合力が重要です。

 膵頭部癌、胆管癌、十二指腸乳頭部癌に対し、亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を実施しています。とくに膵癌は予後不良な癌ですが、膵癌の外科治療は化学療法により大きく変わりつつあります。術前化学療法を含めた集学的治療が重要な疾患です。化学療法と外科治療の融合に加えて、化学療法に奏功した膵癌に対するコンバージョン手術にも消化器内科と合同で取り組んでいます。また身体への侵襲を低下させるために腹腔鏡下膵体尾部切除術も施行しています。

 その他、腹腔鏡下胆嚢摘出術、慢性膵炎に対する膵管空腸吻合術(Partington手術、Frey手術など)、重症急性膵炎に対するドレナージ術なども行います。

 当院は日本肝胆膵外科学会高度技能医修練施設に認定されており、肝胆膵領域においても特に専門性の高い高難度手術を中心に行っています。肝胆膵領域の手術は合併症発生率が高いことが特徴ですが、病院の総合力が大切であることがわかってきました。手術後の病態管理能力が不足している施設で手術することは命にかかわる問題です。当院は、消化器外科だけでなく各科の「24時間体制」に基づく病院全体の総合力で、速やかに対応できることが特徴の一つとなっています。

 

主な検査・医療設備

  腹腔鏡やダ・ヴィンチロボット支援システムを用いた低侵襲手術を行っています。また、がん遺伝子パネル検査による個別化治療を推進しています。

がん遺伝子パネル検査・がんゲノム医療拠点病院としての取り組み

 がん遺伝子パネル検査は、がんの遺伝子の変異を調べ、その後の治療に役立てることを目的としています。

 がん遺伝子パネル検査により遺伝子変異に基づいた治療につながる割合はおよそ10%とされており、決して満足できる結果ではありませんが、これまでの検査ではわからなかった新しい治療の発見につながる可能性があります。がん遺伝子パネル検査は認可された施設でのみ受けていただける検査です。滋賀医科大学は2023年度から全国に32施設しか認定されていないがんゲノム医療拠点病院になりました。

家族性腫瘍関連遺伝子検査(リンチ症候群)について

 大腸がんのなかに、遺伝性に発症するリンチ症候群 (HNPCC、遺伝性非ポリポーシス大腸がん)と呼ばれるものがあります。リンチ症候群は大腸がんだけでなく、その他のがんを発症するリスクが高いことが知られています。当院では、検査の内容、結果を将来に役立てていただくための遺伝カウンセリングとともに、家族性腫瘍関連遺伝子検査を導入しました。詳細は以下のURLをご参照ください。
http://www.shiga-med.ac.jp/hospital/doc/feature/genetic_testing.html

 消化器がんでは、遺伝子に基づいた治療が今後の主流になりつつあります。わたしたちも積極的に関わっています。

 

診療実績

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臨床研究

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