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診療科一覧

女性診療科

スタッフ紹介

外来診察医予定表

診療・業務内容

診療方針

診療方針

 当院は滋賀県の産婦人科医療の最後の砦を担う基幹病院であることをスタッフ全員が肝に銘じ、女性に関する幅広い疾患、疾病に関して、いつでもどこからでも積極的に受け入れる体制を整えています。

 スタッフは各々、婦人科腫瘍・不妊症・内視鏡・骨盤臓器脱・尿失禁・更年期・思春期・月経不順・アスリートの無月経などの専門性を磨き、特に、進行悪性腫瘍、難治性不妊症やがんと診断された方の妊孕性温存療法などに対しては、大学病院としての総合力を結集して対応いたします。

 もちろん、重大な疾患の患者さんだけでなく、子宮筋腫や腟炎などのよくみられる疾患や、さらには子宮がん検診や子宮頸がんワクチン接種、接種後の疼痛などもご相談ください。

診療内容・専門分野

婦人科悪性腫瘍

 婦人科悪性腫瘍の治療として、子宮頸がんに対する広汎子宮全摘術や子宮体がん、卵巣がんに対する傍大動脈リンパ節郭清を含む標準手術のみならず、外科や泌尿器科などとも連携した積極的な根治的手術療法を行っています。

 また、子宮頸がんや子宮体がんに対する腹腔鏡下手術やロボット支援下手術といった低侵襲な治療も適切な症例を選択した上で積極的に行っており、良好な治療成績を実現しております。さらに、2024年5月からは早期子宮体癌に対するセンチネルリンパ節生検を開始しました。元来、早期子宮体癌に対する手術では骨盤リンパ節郭清(リンパ節を全てとる)ことが必要でありましたが、術後のリンパ浮腫や感染が合併症として問題視されておりました。しかし、このセンチネルリンパ節生検という方法を用いることにより、摘出するリンパ節を最小限にすることができるので、これら合併症が起こるリスクを低く抑えることができるようになりました。もちろん、リンパ節郭清と同等の治療効果があることも過去の複数の研究で実証されております。一方で、センチネルリンパ節生検の適応とならない方々には、神経温存手術やリンパマッサージ指導など、術後後遺症の予防も行っています。進行や再発子宮頸がんに対しては放射線療法、化学放射線同時療法を施行しています。また患者さんそれぞれに最適な治療(個別化治療)を提供するため癌の遺伝子検査や癌パネル検査も積極的に行っています。

ロボット支援下手術とは?

ロボット支援下手術とは?

 手術支援ロボットを使用した腹腔鏡下手術のことで、難易度の高い腹腔鏡手術の際の自由度が格段に向上する、手術の正確さを上げることができる、患部の周辺が非常に狭い場合であっても手術ができるなど、多くのメリットが注目されています。

婦人科良性腫瘍

 子宮筋腫や卵巣嚢腫など良性の婦人科腫瘍に対しては腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術などの低侵襲手術を取り入れています。また2021年からは、症例を選んで全く腹部に傷ができない経腟的腹腔鏡手術(v-NOTE)も導入しました。

不妊治療

 タイミング法や人工授精による一般不妊治療と、体外受精に などの生殖補助医療および、妊娠率の向上を目指した手術療法も積極的に行っています。生殖補助医療では、「胚による子宮内膜着床能への影響」は当科の長年の研究テーマであり、そこからSEET法(子宮内膜刺激法)といった新しい治療法が誕生し、医学の発展に大きく寄与してきました。その他、着床障害を誘発する慢性子宮内膜炎に対する着床能改善や、卵巣予備能低下に対する卵胞発育・卵質改善などに積極的に取り組んでいます。また、不妊症の原因となる子宮内膜症や子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術、着床不全の原因となる粘膜下子宮筋腫や子宮内膜ポリープに対する子宮鏡下手術、卵管閉塞に対する卵管鏡手術など、適応がある患者さんには、内視鏡手術を一般不妊治療や生殖補助医療に組み合わせることで、より高い妊娠率が期待できます。また、生殖補助医療と先進医療とを組み合わせた治療を選択することも可能です。

二段階胚移植法・SEET法とは?

二段階胚移植法・SEET法とは?

 二段階胚移植は、受精後2日目の受精卵と5日目の胚盤胞を同一の周期でそれぞれ適切な時期に子宮に移植する方法です。SEET法は、受精卵を培養するのに用いた培養液を凍結保存しておき、凍結胚盤胞の移植前に培養液を解凍して子宮の中に注入し、その3日後に融解した胚盤胞を移植します。二段階胚移植では受精卵そのもの、SEET法では培養液に含まれている受精卵由来の物質により子宮は刺激を受け、着床しやすい状態が作られます。

【相談窓口】

当科では、不妊専門相談センターを滋賀県と共同で設置しており、不妊に悩む方々のあらゆる相談にお応えしています。

  • 電話:077-548-9083(平日9:00~16:00)
  • 面談:水曜日15:00~16:00(予約制)
妊孕性温存療法

 がんなどに対する手術療法や抗がん薬治療、放射線治療によって、妊娠するための能力(妊孕能)が低下・廃絶することがあります。妊娠可能な年齢やそれよりも若い患者さんでは、妊孕能を温存するために、治療開始前または治療中にそれぞれの背景に応じ胚(受精卵)凍結・卵子凍結・精子凍結・卵巣組織の凍結保存を行っています。凍結保存を行うことで、原疾患の治療後に妊娠する可能性が残せます。特に卵巣組織凍結保存を当院では2013年1月から開始し、日本でトップクラスの実績(50例以上)があります。

帝王切開子宮瘢痕症(Cesarean Scar Disorder; CSDi)
2024/03/27

-帝王切開が原因で不妊に!?-

 帝王切開によってできた子宮の創が、陥凹部として子宮に残り、過長月経や不正性器出血(主に月経終了後に茶色の出血が断続的に続くが数日で治まる)、月経困難症や、慢性の骨盤痛、不妊症などを引き起こす病態を帝王切開瘢痕症候群といいます。

 治療として、薬物療法や手術療法がありますが、われわれが主導した全国調査の結果、特に月経痛などの痛みを伴う不妊症では体外受精を含めた一般不妊治療(約25%)より手術療法が妊娠率が高い(約55%)ことがわかってきました。手術療法には、開腹手術、腹腔鏡下手術、子宮鏡下手術などがありますが、現在当院では、より低侵襲手術と考えられる子宮鏡下手術を主として施行しています。瘢痕部自身から出血を認める症例や、瘢痕部に不妊の原因となる子宮内膜症病変を確認しており、本手術で瘢痕部を焼灼することは妊娠率の向上に寄与すると考えております。

 当院において追跡可能であった70症例を検討すると49症例 (75.6%)が妊娠に至り30例が出産に至っております。現在は術式を改良しさらなる妊娠率の向上を目指しております。

粘膜下子宮筋腫

 粘膜下子宮筋腫に対する子宮鏡下手術、子宮内膜症や子宮外妊娠などに対する腹腔鏡下手術、卵管閉塞に対する卵管鏡下手術に取り組み、入院期間の短縮や手術創の縮小に努めています。

子宮内膜症・子宮腺筋症

 月経にまつわる強い症状や不妊・不育などお悩みの多い子宮内膜症・子宮腺筋症に対して、2011年4月より子宮内膜症外 来を開設し、ご相談に応じています。

骨盤臓器脱

 高齢化とともに、悩みをかかえる患者さんの増えている分野です。初期の方には生活指導を含む保存的管理、進んだ症状の方には腹腔鏡下/ロボット支援下仙骨膣固定術や腟式子宮全摘を含む骨盤臓器支持組織の補強を行う手術を行っています。産婦人科以外の診療科と共同して、合併症(いわゆる持病)のある方の手術にも対応します。

思春期・アスリート

 思春期以降女子、特に女性スポーツ選手の中には月経不順、無月経が多くみられます。無月経は、利用可能エネルギーの不足が一因であることが多く、無月経を経過して骨量の低下、骨粗鬆症につながっていきます。当院では専門外来にてホルモン検査や骨塩定量を行いながら、競技生活にあわせて月経をコントロールしてスポーツのパフォーマンスをあげることを応援しています。また月経困難症、月経前症候群で生活や競技が妨げられている場合のご相談にも応じています。

プレコンセプションケア外来(妊娠前相談)

 プレコンセプションケアとは、女性やカップルを対象とした、将来の妊娠のための健康管理を促す取り組みです。
 早い段階から妊娠等に関する正しい知識を得て、生活改善、検査・治療の早期介入、ライフプランの設計を行い、より多くの健やかな妊娠・出産につなげることが期待されています。
 女性診療科外来ではプレコンセプションケア外来を開設し、これから妊活をはじめようとしている方(カップル・男性も含む)、現在病気を持っていて妊娠に不安がある方、以前の病気や手術により妊娠に不安がある方、過去の妊娠・出産で患者本人や赤ちゃんの経過が思わしくなかった方、現在の生活習慣(瘦せ型・喫煙・飲酒など)で妊娠に不安がある方を対象に、プレコンセプションケアに関する相談や各種検査を行っています。(完全予約制)
 詳しい内容については、こちらの案内をご確認ください。

診療実績

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臨床研究

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