当科は、乳腺外科・小児外科・一般外科の診療を行っています。
部門 | 対象 |
---|---|
乳腺部門 | 乳腺疾患の治療を行っています。 |
小児外科部門 | 0歳から15歳までのほぼすべての小児外科疾患の診療を行っています。 |
一般外科部門 | 成人のヘルニアの診療を行っています。 |
乳がんについては、当科のみならず形成外科、放射線科、病理診断科、遺伝診療科、化学療法部、多職種による様々なチームと連携することで患者さんを支援しながら、手術と薬物療法や放射線治療を組み合わせた集学的治療を行っています。
乳がんの切除症例は年間約50-100例で、センチネルリンパ節生検では放射線被ばくがなく同定率が高い『蛍光法』を採用し、長年実績を積み上げています。
乳がんにおける乳房の手術は、乳房部分切除術(温存術)、乳房全切除術(全摘術)に大別されますが、高性能の乳房ダイナミックMRIにより、がんの取り残しのない術式を選択し、提案しています。
乳房部分切除術では、退院後数週間にわたって放射線治療を行いますが、当院放射線科のほか、お近くの総合病院の放射線科とも協力して、通院の無理がないよう配慮しています。
乳房全切除術では、形成外科と協力し、一次(乳がん手術と同時)・二次(乳がん手術と別の時期)問わず各種再建術が保険診療で可能です。
乳腺良性腫瘍では、巨大なものに対しても美しい乳房とその機能を残すための手術手技に努めています。
化学療法(抗がん剤治療)では、術後補助療法だけでなく術前化学療法も積極的に行い、乳房温存率の向上と術後再発率の低下を図っています。進行再発乳がんに対しては内分泌療法、化学療法、分子標的治療等についてエビデンスに基づいた治療を提供するのはもちろん、協働しながら意思決定し(shared decision making)、患者さんの「自分らしく生きる」を尊重しつつ治療にあたっています。
そのほか、若年の乳がん患者さんががん治療の後に妊娠・出産を希望している場合の妊よう性温存(妊娠するための力を残しておく処置など)や、妊娠中の乳がん治療にも対応可能ですので、 そのような場合もあきらめないで、まずはご相談ください。
また、家族性腫瘍外来(乳がん)を開設し、保険診療での遺伝性乳がんの遺伝子検査やマルチプレックス遺伝子パネル検査(マルチパネル検査)が可能な体制も整えています。対象の患者さんには積極的に遺伝性乳がん卵巣がん症候群の遺伝子検査をご案内し、保険適応となったうえでご希望の方には、形成外科・女性診療科と併診し、予防的乳房切除・再建術、予防的卵巣卵管切除術を乳がん手術と同時にも行っています。
【講座HP>診療案内>乳腺外科】
https://www.shiga-med.ac.jp/hqsurge1/medical/pg2002.html
【講座HP>診療案内>乳がん患者さん向け情報】
https://www.shiga-med.ac.jp/hqsurge1/medical/pg2002.html#breastpatientsguide
成人と異なり、小児の診療にはこども特有の難しさや特有の病態が存在します。当科では小児外科専門の医師がすべての診療を担当し、脳外科・整形外科・心臓外科領域を除く、0歳から15 歳までの小児の外科的疾患の大半を受け入れ、年間約150例の手術を行っています。
小児外科で最も多い疾患である鼠径ヘルニア(脱腸)や、陰嚢・ 精索水腫、臍ヘルニア(でべそ)、停留精巣などについては、一泊二日の短期入院による手術を行っています。特に鼠径ヘルニアに対しては、鼠径部小切開で行う従来法に加え、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(LPEC法)を導入しています。腹腔内から観察することで、対側のヘルニアの有無を確認し、予防的に対側の手術を行うことが可能です。患者さんのご希望に応じてどちらの術式にも対応して います。上記以外にも、重症便秘や肛門周囲膿瘍や痔瘻・痔核など、すぐに手術は必要ではないものの治療に難渋する症例や、どの診療科に相談すればよいかわからないような小児症例についても、お気軽にご相談ください。
虫垂炎や腸閉塞などの腹部救急疾患から、小児外科特有の肝胆道系疾患、先天性肺嚢胞性疾患、消化管奇形、小児腫瘍まで幅広く対応しています。悪性腫瘍については、小児腫瘍科医を中心としたチーム医療を行っており、集学的治療の中で腫瘍摘出を行うだけでなく、治療に必要な埋め込め式中心静脈カテーテルの留置や様々な外科的処置を担当しています。腫瘍以外にも、診断目的の各種生検(リンパ節・肝・腎など)や、重症心身障害児に対する胃瘻・腸瘻造設術なども行っています。
当院は総合周産期母子医療センターに認定されており、小児科・産婦人科医師と密接に連携し、胎児診断例についてはご希望があれば、出産前から疾患についての説明や出生後に想定されることなどを説明させていただき、少しでもご家族の不安を軽減し、 出生後の治療もより円滑に進むよう心がけています。先天性疾患だけでなく、超・極低出生体重児、早産児の腸閉塞、消化管穿孔などに対する外科的治療も行っています。
創が目立たず、低侵襲であるだけでなく、術後も健やかな日々を過ごすことができ、将来に憂いを残さないような手術を行うこと、そして手術を受けるこどもたちの心身両面での成長、発達を十分に考慮し、ご家族にとってもできるかぎり負担の少ない診療を行うことを心がけています。
【講座HP>診療案内>小児外科】
https://www.shiga-med.ac.jp/hqsurge1/medical/pg2071.html
成人鼠径ヘルニアは、緊張のかからない手術を行っているため、術後の筋肉の引きつれ感がなく、早期退院が可能になっています。その他に、虫垂切除術、腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)ヘルニアなどに対する手術も行っています。
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